RESEARCH

Overview

並河研究室では自然界の様々な事象に目を向け、その化学的理解に基づいた基礎学問への還元ならびに最先端技術・超機能材料への展開を目指した研究を行っています。テーマによっては物理・生命・数理・地球科学・農学・医学・薬学・社会科学などの知識も必要になりますが、基本的に予備知識は不要です。研究室に入ってから必要な知識を勉強します。これより下には幾つかのテーマを紹介しますが、詳細を知りたい方は並河までお問い合わせください。


Reaction-Diffusion Pattern Formation / 反応拡散による空間構造形成


Nature has a wealth of beautiful and spatiotemporal periodic patterns, some of which has an essential role to maintain the robustness and flexibility of life such as circadian rhythms of the Nobel Prize in Physiology or Medicine 2017. Understanding the mechanism underlying such spatiotemporal periodicity is important for multidisciplinary research covering chemistry, biology, physics, mathematics, and social science. To understand the pattern formation in nature, our laboratory is conducting research to unravel the essence of pattern formation in nature based on original reaction-diffusion model using chemical reactions under gradient field.

自然界は、見た目にも美しい空間的パターン(例えば左の熱帯魚の模様)や、生命システムの恒常性を維持するための時間的リズム(例えば概日リズムなど)にあふれています。その中には、2017年ノーベル生理学・医学賞にもなった概日リズムなど、生命の堅牢性と柔軟性を維持するために不可欠な役割を担っているものもあります。これら時空間構造形成の支配因子の理解は、化学、生物学、物理学、数学、社会科学など多岐にわたる分野での重要課題となっています。この様な背景の中、我々は空間勾配を有する場での化学反応を利用したオリジナルな反応拡散モデルを利用し、自然界に見られる等比級数的パターン形成の包括的理解を目指した研究を行っています。


Molecular Assembly under Continuous Flow / 生体内流動条件下での分子自己組織化


Our body is filled with various fluids such as blood, lymph, and spinal fluid.These fluids continue to flow constantly and transport biological substances in our body. Thus, intermolecular interactions in vivo always progress under flow, but most studies to understand their interactions are conducted under static and flow-less condition.Focusing on the importance of fluidity in vivo, our group are conducting experiments using microchannel devices that reproduce the biological environment, and are conducting research to clarify the relationship between in vivo flow and intermolecular interaction .

生体内は血液、リンパ液、脊髄液など様々な体液で満たされています。その体液は常に流動を続け、生体内での物質輸送などをになっています。その為、生体内での分子間相互作用は常に流動下で進行しているのですが、その相互作用を理解するための研究の多くは流動を無視したものとなっております。この様な背景の中、我々の研究室では、生体内の流動性の重要性に着目し、生体環境を再現したマイクロ流路デバイスを用いた実験を行い、生体内流動と分子間相互作用の関連性を明確化する研究を行っています。


Lipid membrane / 細胞膜機能


細胞膜は細胞の内と外を隔てる防御壁としての機能を担っています。ただし、細胞の生命活動に必須なイオン・分子の外部からの取り込み、また、細胞内の代謝等により生成した不要うな物質を外へ輩出する必要もあります。その為、細胞膜は壁としての機能だけではなく、特定のイオン・分子の出入りを分子選択的に可能とする門番としての機能も併せ持っています。その高度な機能を分子科学の観点から解明し、細胞膜機能の本質を追究する研究をしています。


Symmetry breaking of amino acids / アミノ酸の対称性の破れ


Amino acids have symmetrical optical isomers called D-form and L-form, but our body consists almost entirely of L-form. In other words, symmetry of amino acids is broken in the life system. Four billion years ago when life was born on the earth, why did life break the symmetry of amino acids and chose only the L body? We are conducting research to solve the mystery and chemically grasp the origin of life by understanding the symmetry breaking of amino acids from the chemical viewpoint.

アミノ酸にはD体とL体と呼ばれる左右対称な光学異性体がありますが、我々のカラダはほぼL体のみで構成されています。つまり、生命システムにおいてはアミノ酸の対称性が破れていることになります。地球上に生命が誕生した40億年前、なぜ、生命はアミノ酸の対称性を破りL体のみを選択したのでしょうか?我々はその謎を探究し生命の起源を化学的に捉えることを目的に、アミノ酸の対称性の破れを化学的視点から解き明かすための研究を行っています。