RESEARCH

Overview

生物・無生物を問わず、分子がたくさん集まることでカタチが生まれ、カタチが生まれることで機能が生まれます。ところが、分子に意思はありません。では、どの様にして分子たちは意味のあるカタチや機能を生み出しているのでしょうか。それを探るのが、自己組織化という学問です。

並河研究室では、自己組織化をキーワードに、生命システムの機能や自然界の時空間構造の形成機構の解明を目指しています。自然界の様々な事象に目を向け、その化学的理解に基づいた基礎学問への還元ならびに最先端技術・超機能材料への展開を目指した研究を行っています。テーマによっては物理・生命・数理・地球科学・農学・医学・薬学・社会科学などの知識も必要になりますが、基本的に予備知識は不要です。研究室に入ってから必要な知識を勉強します。これより下には幾つかのテーマを紹介しますが、詳細を知りたい方は並河までお問い合わせください。

山形大学のSDGsポータルサイトにて掲載されている研究紹介もご覧ください。


リーゼガング現象

自然界は、見た目にも美しい空間的な周期性(例えば、シマウマの縞模様や、太陽系惑星軌道の同心円模様)にあふれています。その中には、一見すると全く関係のない現象であるにもかかわらず、全く同じ原理で作り出されている周期性・模様もあります。その「原理」を探るのが「自己組織化」という学問です。当研究室では、100年以上の研究の歴史がありながらも、いまだ多くの謎に包まれているリーゼガング現象(Liesegang現象)に着目し、その反応機構解明を目指した研究を実験とシミュレーションの双方から行っています。リーゼガング現象の理解は、化学のみならず、生物学、物理学、数学、宇宙物理学、社会科学など多岐にわたる分野の類似構造の共通原理である可能性があるため、自然界の自己組織化を探る研究として大変興味が持たれています。


非平衡定常状態としての分子自己組織化


生体内は血液、リンパ液、脊髄液など様々な体液で満たされています。その体液は常に流動を続け、生体内での物質輸送などをになっています。その為、生体内での分子間相互作用は常に物質輸送のある非平衡開放系で進行しているのですが、その相互作用を理解するための研究の多くは流動や物質輸送を無視したものとなっております。この様な背景の中、我々の研究室では、生体内の物質輸送・流動・開放系といった性質の重要性に着目し、生体環境を再現したマイクロ流路デバイスなどを用いた実験を行い、生体内空間の特殊性と分子間相互作用の関連性を明確化する研究を行っています。


細胞膜機能


細胞膜は細胞の内と外を隔てる防御壁としての機能を担っています。ただし、細胞の生命活動に必須なイオン・分子の外部からの取り込み、また、細胞内の代謝等により生成した不要うな物質を外へ輩出する必要もあります。その為、細胞膜は壁としての機能だけではなく、特定のイオン・分子の出入りを分子選択的に可能とする門番としての機能も併せ持っています。その高度な機能を分子科学の観点から解明し、細胞膜機能の本質を追究する研究をしています。


アミノ酸の対称性の破れ


アミノ酸にはD体とL体と呼ばれる左右対称な光学異性体がありますが、我々のカラダはほぼL体のみで構成されています。つまり、生命システムにおいてはアミノ酸の対称性が破れていることになります。地球上に生命が誕生した40億年前、なぜ、生命はアミノ酸の対称性を破りL体のみを選択したのでしょうか?我々はその謎を探究し生命の起源を化学的に捉えることを目的に、アミノ酸の対称性の破れを化学的視点から解き明かすための研究を行っています。